オプショントリガーとは

【オプションはこように紹介されている】(ロイターより引用)

ユーロ1.4670ドル付近、オプション絡みの売り圧力が低下との観測ユーロは1.4670ドル付近。海外市場でつけた9カ月ぶり高値の1.4686ドルから小幅低下した水準で底堅い動きが続いている。市場では、ユーロドルの上値やドル円の下値で設定されているオプションの権利行使期限がきょうからあすにかけて、まとまって期限を迎えるとの観測が出ている。オプションが期限切れとなれば、これまでユーロドルの上値やドル円の下値を押さえる一因となっていた防戦のドル買い圧力が低下するため、ドルが対ユーロ、対円ともに下落しやすくなるという。ドル円は現在90.98円付近。

FX初心者でも簡単!オプション・トリガーとは?

為替相場の市況をを読んでいるとしばしば、「90.00円にはオプションのトリガーが集中している」といったコメントを目にします。トリガー(trigger)は日本語でいえば「引き金」ですから、そこに達すると何かが起こることを意味しているのですが、部外者にとってはいまひとつよく分かりませんよね。今日はそこのところを少し詳しく説明してみたいと思います。
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実践!オプショントリガーはこのように紹介される。

 

市況ではオプションはどのように解説されるのでしょうか?実際、ロイターなどでは以下のように紹介されるので、確認しておきましょう。

 

ドル一時90.12円まで下落、7カ月ぶり90円割れめぐる攻防が続く
一時90.12円まで下落して7カ月ぶり安値を更新したドルは91.25円付近まで反発。7カ月ぶりの90円割れをめぐり、短期筋やファンド勢の攻防が活発化している。下値ではオプションに絡む買い需要が強まる一方、上値の戻り売り圧力も根強いという。90円を割り込んだ水準には、これまでドルを買い上げてきた向きが損失確定の売り戻しに動くストップロスの注文が入り始めているとの声もあった。

 

ドル90.13円まで下落し、7カ月ぶりの安値更新
ドルは90.13円まで下落し、2月12日以来約7カ月ぶりの安値を更新した。市場では明日のニューヨーク時間に期日を迎える90.00円のオプション・トリガーが話題となっている。このトリガーをめぐる防戦のドル買いもあるとみられるが、実需筋はドルを売り遅れている向きも多いとみられ、ドルの上値は重い。

 

(ロイターの外国為替市場の市況を引用)

 

 

まずトリガー系のオプションで最初に世に出てきたのは「ノックアウト・オプション」で、筆者の知る限り1990年ごろには一部のオプション業者が取引していました。

 

ノックアウト・オプションは簡単に言うと、ある水準に達するとノックアウト(消滅)してしまうオプションで、通常のオプションよりプレミアムが安くなるのが特徴です。このノックアウトするポイントをトリガーといいます。「境界線」を示すバリアー(barrier)とか、バウンダリー(boundary)ということもあります。

 

たとえば輸出企業が90円のドルプットオプション(ドルを売る権利)を買う場合のプレミアムが1円とします。これに93.00円でノックアウトするという条件をつけるとプレミアムが0.80円に割引される、というわけです。このような「普通じゃないオプション」を総称して「エキゾチック・オプション」と呼びます。

 

ちなみに「ノックイン・オプション」というのは逆にトリガーに達することによって出現するオプションで、通常のオプションの買いとノックアウト・オプションの売りの組み合わせに等しくなります。

 

次に押さえておきたいのが、バイナリー・オプションという概念です。バイナリー(binary)とは「二元」という意味で、要するにオール・オア・ナッシングのことです。トリガーに達したら決まった金額を受け取れるという権利、というか一種の「馬券」のようなもので、たとえばドル円が向こう1年以内に100円に達したら100円受け取るというバイナリー・オプションを30円で買うとします。向こう1年以内に100円が一度でもつけば、100円受け取り、差し引き70円の利益となります。逆に100円が一度もつかなければ、最初に払ったプレミアム30円が損失になります。

 

逆にドル円が向こう1年以内に100円に行かないという相場観があれば、このバイナリー・オプションを売って、今30円というプレミアムを受け取るという戦略も考えられます。これがいわゆる「ノータッチ・バイナリー」あるいは「ノータッチ・オプション」などと呼ばれるものです。また「ドル円が1年以内に80円と100円のどちらにも一度も達しなければ一定の金額を受け取る」というように、トリガーが上下に二つあるものは「ダブル・ノータッチ・オプション(DNT)」などと呼ばれています。

 

さらにバイナリー・オプションのさらなる派生商品にデジタル・オプションというものもあります。これは、トリガーに達したかどうかの判定が、行使期日・行使時間の一瞬のポイントのみによって行われるという極めて
ハイリスクなものです。

 

たとえば、期間3カ月、トリガー100.00円のデジタル・オプションを例にとると、期間中何回100円に達しても何も起こりませんが、3カ月後の行使期日、行使時間の東京時間午後3時(東京カットオフの場合)時点において100円を越えていた場合のみ、支払いが発生します。

 

ちなみにこうしたバイナリー・オプションは、単体で取引されるよりも、仕組み債券などに「埋め込まれる」ことが多いようです。預金や債券にバイナリー・オプションの売りを組み合わせれば、当初は通常より利回りが高いが、為替が(あるいは日経平均でも何でも)一定水準に達した場合は利回りがゼロあるいはマイナスになるというような仕組み商品が簡単に作れてしまいます。

 

最後に「防戦売り(買い)」について触れておきます。防戦とは読んで字のごとく、相手の攻撃を防いで戦うことですが、オプション市場ではトリガーがヒットされないようにその手前で防波堤のように大量の注文を出すことを指すようです。

 

しかし巨大な為替市場において、どんなビッグプレイヤーであっても一人で市場全体のフローを引き受けるなど無理な話です。実際にはトリガーがヒットしたら利益を得る側、つまりオプションの売り手(マーケットメーカー)がヘッジの注文を出している場合がほとんどです。この辺の細かいメカニズムは、詳しく説明すると長くなってしまいますので、また日を改めてお話しすることにしましょう。